松の新芽を使ったハードサイダー「GREEN PICKER」
目次
GREEN PICKERとの出会い
mitosayaさんは薬草園蒸留所というだけあって、フルーツやハーブを使った素晴らしいオードヴィーがポイント。
しかし、たまに実験的なお酒を作ることもあります。
今回の驚きのお酒は「植木屋さんが松を剪定した時に出てきた新芽」。
GREEN PICKER飲んでみた
葉には当然、デンプンや糖分が含まれていないので、砂糖を加えたようです。
つまり、「葉に付着した酵母を使用して、そのまま醸造した」ということです。
公式情報
- 樹形を維持するために植木屋さんが春に行う「みどり摘み」で出た、松の新芽を使用。
- 発酵中に同時に乳酸菌発酵も起こり、酸味が出てきた。
炭酸は非常に弱く、軽く爽やかな甘味と松の葉や薬のような香りを感じたかと思うと、後からリンゴのような香りがしました。
が、松脂のような後味が口の中にかなり長い間残るのが難点…。
7月末に発売でしたが、お客さんが来た時に開けようと取っておいたら、いつの間にか年末に…。
「松だし、縁起がいいか!」と新年の初酒にしました。(御屠蘇除く)
松って何?
松は常緑樹で寒い冬にも耐えるので長寿の象徴とされ、成長が早くて山火事や伐採後の土地でもよく育つパイオニアプランツとも呼ばれています。
英語の「pineapple」は「pine=松、apple=果実」で本来は松ぼっくりを指していたが、松ぼっくりに似た果実であるパイナップルの方が有名になってしまいました。
この松ぼっくりは「松笠」とも呼ばれ、種に羽がついていて風で飛んでいきますが、水に濡れると飛びにくいので、笠は濡れると閉じて飛ばないようになっています。
お酒との関わり
- ギリシャの「レツィーナ」と呼ばれるワインは、アンフォラ(素焼きの壺)にワインを貯蔵していた時代に、壺口の接着剤として使われていた松脂がたまたま中に入ってしまってできたという由来がある。
- 現代のレツィーナ造りでは、松の樹脂をティーバッグのような袋の中に入れて醸造時に使用している。
食べ物との関わり
- 実(種)は炒って食べたり、バジルと共にジェノベーゼソースに用いられる。
- 松の樹液から蜂蜜が採取できる、
生活との関わり
- 潮風にも強く、砂防林(防風林)として用いられる白い砂浜に青々とそびえ立つ松の風景は「白砂青松(はくしゃせいしょう)」と呼ばれ、日本人に古くから親しまれている。
- 松脂(まつやに)は樹液を固めたもので、天然の素材として非常に有用。
- バイオリンの弓の毛に塗り、無数のギザギザを付けて音が鳴るようにする。
- 野球のロジンバッグ(ピッチャーが手に粉つけてるやつ)
- バレエのトウシューズやボクシングのシューズのすべり止め
- ホッケーのスティック
- 弓道の「くすね」
(弦の補強や、握り皮(弓の握る場所)や矢摺籐(弓と矢がこすれる部分)の接着に使われる。
「手ぐすね引いて待つ」という言葉の語源。
- ボルダリングや消防士のロープ訓練におけるすべり止め
- はんだ付けのフラックス
- 割れにくいシャボン玉
- 製紙用のサイジング材(滲み止め剤)
- インキ用や接着剤用の樹脂
- 地質調査(ボーリング)の土試料採取の際のシーリング材
- 鍛金や彫金、ガラス工芸といった芸術品や、松脂自体を成形した工芸品
- パイン材と呼ばれ、使いやすい木材として有名。
- 色が明るく、木目が美しい
- 柔らかく肌触りが良い
- 香りが良い
- 熱電導率が低く温かく感じる
- 油分が多いので経年変化でツヤが生まれ飴色になる
- 衝撃を吸収しやすい
- 比較的安価
まとめ
GREEN PICKERは微発泡で松の葉やリンゴの香りを感じましたが、松脂のような後味が口の中に残るという不思議なお酒でした。
かなり攻めた実験的なお酒でしたが、mitosayaさんはそれがいい。