出汁もみりんもいらなくなる最高の料理酒「出雲地伝酒」
目次
出雲地伝酒との出会い
毎年、年末に御屠蘇に使う日本酒やみりんをどうしようかと調べているのですが、熊本県に「赤酒」という製造工程で木灰を入れて微アルカリ性にした「灰持酒(あくもちざけ)」というものがあるということが分かりました。
通販で買えるのは醸造アルコールや糖類添加のものが多くてなんだかなぁー。
(添加はあまり好きではないという自分勝手なこだわり。)
もう少し調べると灰持酒には熊本県の「赤酒」、鹿児島県の「地酒」、そして島根県の「地伝酒」の3種類が見つかりました。(さらに発展させた「黒酒」というのも。)
その中からこだわりに合ったのが出雲地伝酒。
「旨味を最大限に引き出す」というその力を見せてもらいましょう!
出雲地伝酒飲んでみて、使ってみた
公式情報
- 米麹は日本酒の約2倍、仕込み水は日本酒の約半分と濃厚な味わい。
- 3ヶ月間の長期発酵。
- 木灰で酸度を中和して微アルカリ性にすることで酒が赤みを帯びる。
- 甘味はみりんの約半分、旨味は酒の約4倍で独特のツヤが出る。
- 肉や魚の臭みを消し、身を柔らかく引き締められ、煮崩れしにくい。
まずはそのまま味見を。
濃厚な甘味があり、紹興酒とみりんの中間のような味わい。これは和食も中華もいけそう!
その後、適当に何品か作ってみた感想がこちら。
クク
使ったのは出雲地伝酒と醤油は1ℓ1000円程度の丸大豆の本醸造。
具材はスーパーの安売りが大半。
- 鳥うどん
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まずは鶏もも肉をゆで、その汁に出雲地伝酒と醤油をドボドボの適当レシピ。
本当に鶏もも肉と出雲地伝酒と醤油だけで味付けしただけですが、うまい!
出汁いらないじゃん!感動した! - ブリの照り焼き
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ブリの切り身と出雲地伝酒と醬油、生姜を入れてコトコト煮込む。
宣伝通りにふっくらとツヤがあり、味もしっかり染み込んでいます。うまい! - オイスターソース炒め
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紹興酒にも似た味だったので牛肉やホタテ、イカと色々試してみました。
これも調味料はオイスターソースと出雲地伝酒のみ。本当に何でも合います。
料理酒としての総評
他にも普通の野菜炒めやスープ等「自然な甘味が欲しい」「ツヤが欲しい」といった和食・中華系は大体合います。
反対に洋風ベースのものはやっぱり微妙でしたね。(和風スパゲティはありでしたが。)
何が決め手なのかな~と考えたところ、ズバリ「旨味の種類」!
昆布だしや鰹だしといった旨味は大切ですが、それが主となる具材とかち合うことが無かったんです。
つまり「肉じゃがには牛肉感が欲しいけど、鰹臭いと微妙…。」ということが起こらなかったんです!
これはすごい!
そしてもうひとつの利点が、
いちいち出汁を取らなくていい!
毎日料理する身としてはこれは最高です。だって何に合わせても手軽に美味しくしてくれるんだもの。
それともちろん食感が良くなること。これも大事。
値段は少し高いですが、料理酒とみりんと紹興酒を使い分ける手間を考えると確実に出雲地伝酒の方が良かったです。
「具材がそこそこでも、良い調味料を使えば十分に美味しくなる」というのを体現してくれました。
あと、しっかりとした旨味があれば塩分控えめでも美味しく感じられるというのも忘れずに。
名称 | 出雲地伝酒 |
色 | ツヤのある赤みがかった茶色 |
原材料名 | もち米(国産)、米こうじ(国産米) |
内容量 | 720ml |
アルコール度数 | 13% |
購入時価格 | 1053円(税込) |
製造者 | 米田酒造株式会社 |
灰って何?
灰は「木に火をつけ、酸素をどんどん供給していくと、やがて燃え尽きて最後に残った粉」です。
似たようなもので「炭」と「煤(すす)」がありますが、炭は「木に火をつけ炎が立たない程度に酸素を供給し、約1200度の高温で蒸し焼きの状態で作られるもの」で、原形をとどめています。
そして煤は「油やロウソクなどを燃やすときに煙といっしょに出る細かな黒い微粒子」のことです。
お酒との関わり
- 昔、酒樽を火に投げ込んだことで酢になりかけていた酒が灰で中和され美味しくなったという逸話があり、これが日本の清酒誕生の瞬間と言われている。(当時は濁り酒が普通だった)
食べ物との関わり
- 灰汁(あく)は元々、草木を焼いた灰を水に溶いた汁のうわずみを使って山野草のにが味やえぐ味を取り除いて食べやすくしていた。
そこから転じて、食品に含まれる不要な成分を灰汁(あく)と呼ぶようになった。
生活との関わり
- 黒い色で日光の熱を吸収するので雪にまくと早く溶ける。そして無害。
- これ以上は燃えることはないので、囲炉裏や線香立ての断熱材に最適。
- アルカリ性で有用菌が増え、ミネラル分も豊富、匂いによる虫よけ効果もあることから土壌改良剤として古くから使われてきた。
- はなさかじいさんが灰をまいて枯れ木に花を咲かせた。
まとめ
出雲地伝酒は紹興酒とみりんの中間のような味わいで、甘味と旨味がたっぷり詰まったスペシャルな料理酒でした。
和食や中華ならどんな材料にでも合い、素材の味を邪魔しない万能選手だったので、自分はもとより料理好きな方への贈り物にも最適だと思います!